夕凪の街 桜の国
文末に記事を追加しました。
こうの史代著「夕凪の街 桜の国」をやっと購入しました。
この本に関しては、話題になりかけのころパラパラっと立ち読みしたのですが、その時は購入できず。(しかも、導入部分からあとは読めませんでした)
その後も本屋さんで何度も出会ったのですが、気になりながらも手にとれず・・・・。
今回文庫化され、やっと手に取ることができました。
そして一気読み&再読・再再読・・・さらに読む!!という状態でした。
絵も物語もよく考えられ、丁寧に描き込まれているいい作品です。
私が今まで目にしてきた「広島」「原爆」の物語だと、あからさまにその悲惨さ、残酷さが表現されていて、まさに(それが現実だとしても)「見るに堪えない」ものでしたが、全く違う切り口で描かれています。
そして、どんな作品よりメッセージが深く心に届きました。
詳しい内容にはあえて触れずにおきます。
是非、この物語を読んでいただきたいと思います。
記事を追加しました。***************************
作者のこうの史代さんは、「広島市に生まれ育ちはしたけれど、被ばく者でも被爆二世でもありません。」(以下「」部分は、本文「あとがき」より引用させていただいたものです)
被爆体験のある親戚もなく、原爆は「遠い過去の悲劇」であり「怖いということだけ知っていればいい昔話」であり「踏み込んではいけない領域」だったそうです。
そのこうのさんが、この作品を描いたのは「そういう問題と全く無縁でいた、いや無縁でいようとしていた自分を、不自然で無責任だと心のどこかでずっと感じていた」からだし、「広島や長崎以外の人は原爆の惨禍について本当に知らない」ことに気づき「知りたくてもその機会に恵まれない」彼らに「それぞれの土地のそれぞれの時代の言葉で、平和について考え、伝えてゆかねばならない」と思われたからだそうです。
私はこの本をご紹介するにあたり、かなり迷いがありました。
サイドバーの「最近読んだ本」で簡単にご紹介するだけにしようかとも思いました。
が、それではこの作品の「想い」を伝えきれないのでは・・・と、記事にすることに挑戦しました。おしつけがましく感じる方がいらっしゃったら、お許しください。
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